未来健康通信2024年7月号
【今月の特集】
『口臭の原因』
皆さんはお口の臭いが気になることはありませんか?口臭が発生する原因は生活習慣やお口のトラブルなどさまざまです。
口臭の原因を知り、気になる臭いを予防しましょう。
【口臭の原因となるもの】
⚫︎歯周病
歯周病が進行すると歯と歯茎の境目にある歯周ポケットが深くなり、お口の中の細菌の格好の住みかとなるため、歯周病菌が活動を活発化させてしまいます。歯周病菌は食べかすなどに含まれるたんぱく質を分解する過程で強烈な臭いのガス(メチルメルカプタンや硫化水素)を作り出すため、これが口臭の元となります。
⚫︎むし歯
虫歯が進行すると、虫歯でできた穴のなかに食べかすが詰まりやすくなります。そして穴の中に溜まった食べかすが、細菌によって分解される過程で臭いが発生します。むし歯を放置すると歯の神経や血管を腐敗させ、次第に口臭も強くなります。
⚫︎飲食物やタバコ
ニンニクやニラ、ネギなどの臭いの強い食べ物やアルコールにより一時的に口臭が発生することがあります。体内に取り込まれた臭いの元になる成分が、胃の中で消化され血液を介して全身に循環し、肺を経由して体外に吐き出されるためです。このような外因的口臭は時間の経過とともに減少します。また、タバコも口臭が発生する原因となります。タバコの煙には歯周病を悪化させる有害物質が含まれているため、喫煙者の口臭は歯周病も大きく関係している可能性があります。
⚫︎唾液の減少
唾液には口の中を洗い流す作用、細菌の増殖を抑える作用、口の中の粘膜を保護する作用など重要な役割があります。唾液の分泌は加齢とともに少なくなりますが、それ以外にも薬の副作用、糖尿病や腎不全などの全身疾患、ストレスや喫煙などによっても唾液分泌の低下が起こります。唾液が不足する口腔乾燥症(ドライマウス)になると、唾液の分泌が低下しお口の中が乾燥することで、むし歯や歯周病になりやすいだけでなく、うまく飲み込めない、舌がピリピリする、口が乾いて話しにくいなどの症状や口臭が発生する原因にもなります。
【口臭予防のために行うこと】
⚫︎歯科医院でのプロフェッショナルケア
・歯石除去 ・適切なセルフケアの指導 ・歯周病や虫歯の治療
・定期的な健診とクリーニング など
⚫︎ご自宅でのセルフケア
・歯ブラシ、フロス、歯間ブラシなどを使って口の中を清潔に保つ
・舌を専用ブラシでお手入れする
・唾液の分泌を促すためよく噛んで食べる、こまめに水分を補給する、唾液腺
(下顎の下…顎下腺や、耳の下…耳下腺)をマッサージする など
口臭は生活習慣からも影響を受けると言われていますので、十分な睡眠を確保しストレスを溜めないような生活を心がけるのも大切です。
そして定期的に歯科医院での健診やクリーニングを受け、お口の中を清潔な状態に保ち、口臭を予防していきましょう。
舌のお手入れ用のブラシ(舌クリーナー)や、お口に潤いを与えるマウスジェルなどもご用意しておりますので、お気軽にスタッフへお声掛けください。
【Drブログ】
Dr 岩波 洋一
『自然の恵みにバンザイ』
我が家に植えた梅の木に今年は多くの実がなりました。植樹して7年、そんなに大きな木ではないのですが、今までにない豊作に驚きました。果樹は虫がつきやすく、薬品の散布でちょっとでもタイミングが遅れると、瞬く間に病害虫がこびりつくので油断できません。いつも仕事が終わって夕飯を済ませると、庭に植えた樹々を懐中電灯片手に確認し、弱ってないか、どれくらい成長しているかをチェックするのが日課となっています。夜にサーチライトを照らすかのように不審な動きをしているわけですが・・。今年は、子供と一緒にいちごも栽培し、何個か実ったものを食べて楽しんでいます。それでも思い通りに育たないのは我が子と一緒で(笑)、そこに家庭菜園や庭木管理の奥深さを感じます。自然と触れ合うことで、少しでも心穏やかに、そして自然の有り難さ、農家の方々の苦労をわずかながらでも体験し、感謝しながら生活していきたいと思います。
【そこが聞きたい!Q&A】
今月の担当
Dr. ふじた ひびく
Q. 歯が抜けたところをそのままにしておいても大丈夫?
A. 虫歯や歯周病で歯を失うと、まずは、見た目や咬みにくさが気になることでしょう。「抜けた歯は1本だけだから、気にならないし大丈夫。」と考える方もいらっしゃるかと思いますが、抜けたまま放置していると周囲の歯が動き始めてしまい、口の中に悪影響が出てきます。
具体的には、噛んでいた反対側の歯が伸びてきたり隣り合う歯が空いたスペースに向かって倒れてきたりします。歯が動くことで咬み合わせのバランスが崩れてしまい、顎関節に痛みが出てきたり一部に過度な負担がかかり歯の寿命を短くしてしまったりすることがあります。最初は1本だけと思っていたものが、それを皮切りに口の中全体の崩壊を引き起こしかねないので注意が必要です。
歯を失ってしまった場合は、抜けた歯の機能を補う治療をする必要があります。入れ歯、ブリッジ、インプラントといった治療方法があります。それぞれのメリット、デメリットや治療の進め方などについてしっかりとご説明いたします。希望に合った治療を選択できるように、相談の時間や考える時間を設けて治療を進めます。