講演会を通じて
先日、秋田市歯科医師会主催で岩手医科大学の先生をお招きした講演会が開催されました。内容は、摂食嚥下・口腔リハビリテーションについてで、後期高齢化率の増加が取り上げられる秋田において身近な話題でした。健康寿命を延ばす、そのためにフレイル(健康な状態と要介護状態の中間に位置する心身状態のこと)などの疾病になる前段階で、リハビリつまりは筋トレのようにご自身で口腔内外の筋肉を鍛えて、予防もしくは進行を遅らせることが重要です。これは「病気にならない身体を創るための医療」と言えます。その医療発展のためには我々歯科医師が患者の食事摂取や歩行など、運動機能や認知機能などを検査で数値化し、本人に気づいてもらう。そして必要であれば、多職種連携で訓練やアドバイスをしながら患者の機能を改善させることが目標です。人間の身体は使わないとどんどん機能が低下します。我々歯科医師も歯の見た目、形だけでなく、おいしくしっかり食事を噛めて、飲み込めているか、機能面に一歩踏み込む必要があります。歯科医療だからできる患者アプローチの可能性を学ぶことができました。(Dr.岩波洋一)