未来健康通信2024年2月号
【今月の特集】
「知覚過敏を治したい!」
●その痛み、ホントに知覚過敏?
冷たいものを食べるとキーン!甘いものを食べるとズキッ!!「歯がしみる」ってとてもつらいですよね。知覚過敏は、歯の外側をおおっている硬いエナメル質が欠けたり、割れたり、削れたりすることによって刺激が神経に伝わって起きる症状です。単なる一過性の痛みだと思われがちなのですが、じつはむし歯などの初期の痛みととても似ているので、油断大敵なうえ、診断も意外とやっかいなのです。
●「しみる歯」にはどんな問題が起きている?
「知覚過敏」というと、「単に歯がしみるだけ。放っておいても大丈夫」というイメージがありますよね。ですが気づかないうちに歯が傷んでいることもあるので、一度歯科医院で診てもらいましょう。この「しみる」症状は、主に歯の表面を硬くおおっているエナメル質を失うことが原因で起きます。エナメル質が失われると、その下の象牙質がむき出しになります。象牙質にはポツポツとパイプ状の穴が開いているので、ここから神経の方へと外部からの刺激が伝わってしまうのです。冷たい、熱い、甘いなどの刺激が穴の中の水に伝わり、その水の動きが神経とつながっている象牙質の細胞や神経を刺激して、「キーン」という痛みになると考えられています。ただし、象牙質がむき出しになっていてもしみない方もいます。これは、象牙質の表面にスメア層という層ができたり、唾液の成分などが結晶化(再石灰化)し沈着したり、歯の成分でパイプ状の穴が細くなったりふさがったりするからなのです。歯が削れるほどゴシゴシ歯磨きしたり、夜中に歯ぎしりをしていると、スメア層や再石灰化層がはがれ知覚過敏を引き起こします。
【知覚過敏リスクチェック!】
○歯ぎしりやくいしばりをしていませんか?
過剰な力は歯のヒビ、欠け、咬耗、詰め物や被せ物の痛みの原因に。そんな方には就寝中につけるマウスピースがおすすめ。
○ゴシゴシ歯みがきしていませんか?
ゴシゴシ強くみがきすぎると、歯を摩耗させたり、歯ぐきを痩せさせてしまいます。歯と歯ぐきの境目はやさしく丁寧に磨きましょう。
○すっぱい物を摂りすぎていませんか?
健康のために積極的に柑橘類を食べ、酢や酢の物を摂る方がいます。酸味は体にはよくても、摂りすぎると歯には悪いこともあるのでご注意を!
○お口の中がパサついていませんか?
持病の薬を飲んでいる方に多いお口のパサつき。薬の副作用で唾液の分泌が減ると、歯の再石灰化やスメア層の形成がスムーズに進みません。こまめな水分補給を行うといいでしょう。
まずは、生活の中に隠れている知覚過敏のリスクを見つけてスメア層や再石灰化層を取り戻すことを始めましょう。軽い知覚過敏なら、習慣や癖を改善したり、必要な対策を打つだけで自然に治る場合もあります。なにか困っていることや相談したいことがあれば、ぜひ気軽に声をかけてくださいね。
【Drブログ】
Dr 山田 真衣
「福袋」
みなさんは年末年始に何かお買い物されましたか?私は洋服や食品の福袋をたくさん買いました。中でも今年新たな挑戦となった某有名コーヒーチェーン店のコーヒー福袋の話をします。今まではカップの上に乗せるカップオンコーヒーを好んで飲んでいたのですが、今年からハンドドリップを始めてみました。福袋には、ペーパーフィルターを使わないステンレス製のドリッパーと耐熱ガラスサーバー、コーヒー豆が入っていて、すぐにハンドドリップを始められる内容でした。最近はその日の気分でコーヒー豆を選びハンドドリップを楽しんでいます。コーヒーを淹れる時の香ばしい香りがたまらないですね。福袋に入っていた4つのコーヒーを全種類飲んでみて、深煎り苦めのが美味しくて気に入っています。今後はコーヒーミルを手に入れたいです。
【そこが聞きたいQ&A】
今月の担当
Dr. いわなみ よういち
Q. 学校歯科検診はどのくらい信用していいの?
A. 検診の目的は、会社の健康診断と同じ「スクリーニング」つまり「ふるい分け」です。健康診断で異常を指摘されたら精密検査が必要なように、むし歯や歯並びの問題を指摘されたら「歯科でさらに詳しい検査を受けてください」ということです。学校歯科検診など集団検診では明るい照明の下で歯を診ることができません。逆にいえば、集団検診で発見されるむし歯は、ある程度進行しているもしくは着色かもしれないが念のため精査が必要、と診断を受けた可能性が高いと言えます。どちらにせよ、すみやかに歯科を受診しましょう。