未来健康通信2023年10月号
【今月の特集】
「知りたい!ホームホワイトニング」
⚫︎ホワイトニングとは
歯の表面を削ったり、溶かしたりするのではなく、ホワイトニング材の成分が着色物質を分解することによって自然な白さを実感することが出来ます。
歯科医院内で行う着色除去は、機械を使用し歯の表面の汚れを取り除く処置ですが、ホワイトニングは歯そのものの色を明るくする処置です。
オーダーメイドのトレイを作製し、それにホワイトニングのジェルを入れて、自宅で簡単に行えます。
⚫︎ホワイトニングの安全性について
ホームホワイトニング材は、歯への影響を考慮し、口腔内と同等の中性のpHに保たれています。また、成分である過酸化尿素10%は、歯肉の消毒剤として使用されていますので、歯や歯肉に対して安心してお使い頂けます。
⚫︎ホワイトニングの効果
ホワイトニングの効果には個人差があるのと、白さの変化には限界があります。
また、ホワイトニングの効果は永久的ではなく、少しずつ元の自分の歯の色に戻ろうとする力が働きます。これを後戻りと言います。
白さを持続させるには、定期的なメンテナンスがお勧めです。
定期的なクリーニングで着色除去をし、歯の表面の汚れを取り除くことは後戻りを緩やかにしますが、完全ではありません。
数年後、後戻りが気になった際には、再度ホワイトニングジェルを使用することで、いつまでも美しい口元を保つことができます。
⚫︎ホームホワイトニングの流れ
①歯科医院にて、歯科医師の診察を受けます。
→ 口腔全体の検査と適応症の審査をします。
②歯の型を取り、オーダーメイドのトレイを作製します。
③後日完成したオーダーメイドのトレイの適合状態を確認し、処置前の記録をとり、ホワイトニングジェルの使用方法や注意事項についてご説明します。
④自宅でホワイトニングを開始します。1日最大2時間まで、2週間使用します。
⑤2週間後、歯科医師の診断と処置後の変化を一緒に確認します。
⚫︎ホワイトニング中の飲食について
ホームホワイトニング中の食事制限はありませんが、色の濃い食べ物や飲み物は歯に色が付きやすくなるため、なるべく控えて頂いたほうがホワイトニングの効果は出やすいです。色の薄いもの、白い食べ物を選択してみてください。
また、薬剤を使用することでしみる症状が出る場合があります。その時は、柑橘類や炭酸飲料を控えて頂くことで食事による歯への刺激を避けることができます。
例)色の薄いもの→ピラフ、ホワイトシチュー、白ワイン etc…
例)色の濃いもの→ カレーライス、ビーフシチュー、赤ワイン etc…
⚫︎よくあるご質問
Q. ホワイトニングが出来ない人はいますか?
A. 虫歯がある、歯周病の症状がある、ひどい知覚過敏症、ホワイトニングの成分へのアレルギーがある方は出来ません。
虫歯がある、歯周病の症状がある方は治療をしてからホワイトニングを開始します。
また、妊娠中や授乳期の使用は、胎児や乳児への安全性が確認されていないため出来ません。
Q. 歯の詰め物やかぶせ物、神経の無い歯は白くなりますか?
A. 詰め物やかぶせ物にはホワイトニングの薬剤は反応しません。
基本的には神経のある歯が対象ですが、神経の無い歯に対しても効果は出ます。ただし色の変化には時間がかかります。
ホワイトニングは自由診療となります。ホワイトニングに興味のある方は、ご説明いたしますのでスタッフまでお声がけ下さい。ホワイトニングで、今よりもっと自信のある口元を手にいれてみませんか。
【Drブログ】 Dr 岩波 洋一
「札幌訪問」
先日、日本口腔インプラント学会が札幌で開催されたため、大学時代を過ごした札幌に数年ぶりに行ってきました。フェリーに車を積んでの長旅ではありましたが、むこうについてからは車でいろいろな所を回ることができたため、短い時間ではありましたが、旅を堪能することができました。20年以上前に住んでいたアパートは今なお変わらず健在でしたが、大学構内などはかなり様変わりしていました。札幌近郊と小樽を訪れましたが、さらに都会化が進んでいる印象を受け驚きました。人口もわれわれが学生の時は180万人でしたが、現在200万人に迫ろうとしています。秋田の暮らしも早いもので20年近くになろうとしており、久しぶりに都会の交通量を目の当たりにし圧倒され、少し恐怖感を感じてしまいました。都会への羨ましさを感じつつも、秋田ののんびりした雰囲気が自分には落ち着くようです。少子高齢化に歯止めがかからない秋田がさらに魅力ある街になるよう、そして我が子達にも成人してもできれば秋田に残ってもらいたいなと願っています。
【そこが聞きたい!Q&A】
今月の担当
Dr. ふじた ひびく
Q. デンタルフロスや歯間ブラシの使い方は?
A. セルフケアの基本は毎日の歯みがきですが、ブラッシングで落とせるのは歯垢の約60%程です。毛先が届かない歯と歯の間に歯垢が残ります。
歯ブラシに加え、デンタルフロスを用いると歯垢の約80%が落とせます。糸巻きタイプは使う量を取り出し、使用後は捨てます。柄付きタイプは使用後、きれいに洗えば数回使えます。フロスを歯の側面にあて、のこぎりを引くようにスライドさせながら通します。フロスを歯の側面に沿わせ、3〜4回こすりあげます。もう一方の側面にも同じようにこすりあげましょう。
デンタルフロスでもうまく汚れがとれない場合やブリッジを装着している場合におすすめなのが歯間ブラシです。歯科医院で自分の歯に合ったサイズを選んでもらいましょう。歯の表側から歯間ブラシを挿入し、前後にスライドさせるようにして汚れをかき出します。その後は裏(舌)側からも歯間ブラシを使用すると効果的です。
歯間ブラシも用いると約85%の歯垢が落とせます。残り15%は歯科医院でのクリーニングで落とすようにしましょう。