未来健康通信2023年8月号
【今月の特集】
「口腔機能低下症」
最近「ムセや咳払いが増えた」「食べ物がのどにつかえる感じがする、飲み込みずらい」ということはありませんか?
また、歯科の治療中やクリーニング中にお口に水をためられずにムセてしまったなんてことはないでしょうか。 いま「そういえば……」となった方、ご用心。これらはお口の機能が老化している兆候なのです。
いま問題となっている「口腔機能低下症」。
噛む、飲み込む、話すといったお口の機能は、からだの筋肉と同じように、加齢とともに衰えていきます。 たとえば、のどにある喉頭蓋の弁の動きが悪くなると、ムセやせき払いをしやすくなりますし、舌の力が弱ったり唾液の分泌が減ると、食べ物がのどにつかえやすくなります。
こうした変化は「口腔機能低下症」と呼ばれ、全身の健康を損なう最初の段階になると考えられています。
お口の老化、つまりお口の機能が低下していくと、どのようなことが起こるのでしょうか。
まず思い浮かぶのが、「うまく食べられなくなる」ことです。
実際、「食べる」という作業は、歯だけでなく、くちびるや頬、舌、のどまわりの筋肉が協力して行われます。
歯が残せていても、舌やのどの動きが悪くなれば飲み込めなくなり、食べることが難しくなっていきます。
すると栄養が十分に取れなくなり、体力が低下して病気やけがをしやすくなるので、寝たきりになる原因となります。
ですが、それよりも怖いのがムセや窒息、誤嚥性肺炎です。
お口の機能が低下すると、これらのリスクが非常に高まるのです。
「ムセはたしかに苦しいけど、何が怖いの?」と思われるかもしれませんね。しかし、気管に入った異物を吐き戻すムセという行為は、からだにとても負担をかけます。若いうちは何ともなくとも、お年を召したかたには思わぬダメージとなりかねません。
また、ムセができているうちはいいのですが、お口の機能の低下が進むとムセて吐き戻す力が弱くなり、 窒息の危険性が高まります。 誤嚥性肺炎は、唾液に含まれる細菌が誤って肺に入って増殖し、炎症 (肺炎)を引き起こす病気です。
加齢によるお口の機能の低下とは?
お口の老化、つまりお口の機能の低下とは、具体的にはどういうことなのでしょう?
お口に起こる変化を見てみましょう。
口腔機能低下は、加齢や疾患の進行によって避けられない場合もありますが、日々の口腔ケアの改善も重要です。
ブラッシングやうがいを継続的に行うことで口腔内の清潔を保ち、細菌感染を予防することが出来ます。唾液分泌を促進する為に、水分補給をしっかり行うことや唾液線のマッサージを行うことも大切です。
低下した口腔内の筋肉を鍛えるために、口腔体操や嚥下などのトレーニングを行いましょう。
健康な口腔を維持することは、全身の健康維持にも大きく影響します。
【Drブログ】
Dr 山田 真衣
「湯瀬温泉と田沢湖の旅」
先日、湯瀬温泉へ行ってきました。秋田では初めての温泉地、雪が溶けるのを楽しみにしておりました。長い山道を走り旅館に着くとまずウェルカムドリンクをいただきました。ジュースだけでなく米焼酎や梅酒などのアルコールも充実していてたくさん飲んでしまいました。旅館での食事はビュッフェ形式で、地元の食材をふんだんに使った和・洋食料理、デザートが数多く並んでおり胸が躍りました。中でも山菜の天ぷらや梅ひじきご飯が特に美味しかったです。
そして満腹になった後は待ちに待った大浴場へ。露天風呂から旅館のそばを流れる米代川を見下ろすことができました。連日雨だったこともあってか、川の流れは速く岩に激しくぶつかり荒々しい様子でした。
温泉を楽しんだ帰りは、行ってみたかった田沢湖へ向かいました。到着して早々見たことのないエメラルドグリーンの澄んだ湖水に驚きました。水深が深いからかと思いましたが、調べてみるとどうやら玉川温泉からの酸性水が関係しているようです。田沢湖といえば有名な「たつこ像」も見てきました。
秋田に来て2年目。着々と色んな観光地を巡っております。雪が降る前に今度は南へ行ってみたいです。是非みなさんのオススメを教えてください!
【そこが聞きたい!Q&A】
今月の担当
Dr. いわなみ よういち
Q. 詰め物が取れて放置しているけど大丈夫?
A. 昔に治療した歯の詰め物が、キャラメルなどにくっついて取れてしまった経験をした人も多いでしょう。合わない詰め物が下手についているより、外れたほうが、患者さん自身も治療の必要性を自覚できます。もちろんすぐに歯科医院に行って、詰めなおしてもらえればいいのですが、忙しくてつい、そのまま放置してしまう人もちらほら見受けられます。歯科医院を受診するまでにどうしても期間が空いてしまう場合、しみたりなどの症状がなければ、詰め物が取れた部位をよく磨き悪化しないようにしましょう。もちろん長期間放っておけば、むし歯菌が象牙質の極細の管を通って歯髄(歯の神経の中枢)に侵入してしまいますので、なるべく早く歯医者に行きましょう。