未来健康通信2023年7月号

【今月の特集】 

「ワンランクアップの口腔ケア」

舌の汚れのケアについて考えてみましょう。
舌の表面が白くなっていることはありませんか?

舌の色は、皮膚の色と同じように年齢や貧血などの病気、舌苔や喫煙の有無などによって個人差が出やすいものです。
東洋医学では、舌の色は診断に重要な役割を果たしているとも言われており、白い舌は血の不足を示す特徴の一つだと考えられていたりもします。
舌の色は、さまざまな影響で変化します。しかし、舌が白く見えている場合は、舌苔(ぜったい)が堆積している可能性があります。

舌苔は、糸状乳頭に、口腔内の粘膜についていた上皮細胞や粘液、食べ物の残りカス(食物残差)や多量の細菌が落ちて、苔のように堆積したものによって生じます。
通常、舌苔は、舌自体の運動や舌と口蓋(上あごのうちがわ)の接触、唾液によって洗い流されたり、また食べ物が舌の表面を移動する際の力などにより流されていきます。
そのため、糸状乳頭も再生されやすく、容易にはがれていき、舌苔が堆積することを防いでいます。
白い舌の原因が舌苔の場合は、糸状乳頭と付着物という2つの要素や、唾液量の減少、ドライマウス、服薬中のお薬の影響、口腔周囲の機能などの要素が複雑に絡み、舌苔が堆積した状態である可能性があります。

●舌の清掃方法
舌の清掃には、舌ブラシやスポンジブラシ、ガーゼなどを使用します。舌ブラシは、ブラシタイプ、ヘラタイプ、ヘラ+ブラシのタイプなどがあります。
ブラシがついている、ブラシタイプやヘラ+ブラシタイプは固すぎないものを選ぶことをおすすめします。

また、歯ブラシを使用する場合は、舌をブラッシングしても痛みが生じない、やわらかい毛先を選びましょう。
舌の清掃は、舌ブラシを奥から手前に動かして舌苔を除去していくことが基本となります。


※舌の奥はむせやすく、嘔吐反射が誘発しやすくなっており、注意が必要です。

介護や訪問歯科診療の場合は、舌を出すことが可能な方の場合は「ベーと舌を出してください」と声かけをして、口から出してもらった舌の部位を奥から手前にケアすると嘔吐反射を誘発せずに舌の清掃がしやすくなります。

また、舌苔をすべてきれいに除去しようと強く行うのは避けましょう。
舌は刺激に弱くデリケートなので、何回も続けてケアを行うと舌を傷つけてしまう可能性があるため、5回ほど前後に動かすくらいで十分と考えられます。健常な人の場合でも、通常は舌の表面の真ん中あたりが、うっすらと白くみえるものです。

●ドライマウスの方は
舌苔がついている場合、舌ブラシなどで除去しようとすると、舌が傷つきやすくなりますので注意しましょう。
乾燥した状態であれば、口腔内保湿剤(コンクールマウスリンス、コンクールマウスジェル)の使用をおススメします。
何度かぬるま湯でお口をすすいだり、湿ったガーゼで湿潤させてから、やわらかくなった舌苔を少しずつ除去していくようにしましょう。

●口腔ケアの一つとしての舌の清掃
舌苔の原因となる口腔粘膜の汚れは、歯周病やむし歯が背景になっていることもよくあります。定期的なメインテナンスで、フィットネス感覚でお口の健康を維持・増進できるようにお手伝いいたします。


【Drブログ】  
Dr 岩波 洋一
「あれもこれも高騰」

食材や電気代など、生活に直結するものの価格高騰に日々驚いています。先日、薪小屋を追加で建てようと思い、ホームセンターの木材の価格をチェックしました。2×4、4×4などDIYで使用しやすい材料を以前と比較すると、驚きの2倍近くに上昇していました。小屋1つ建てるのに、使用する木の本数も多く、費用もかなりかかりそうだったので、計画を一旦中止としました。買い時を見極める必要がありそうです。はたして元の価格帯に戻る日は訪れるのでしょうか。

これからいろいろな活動が楽しめる季節となってきます。庭木の手入れ、薪割り、BBQ、キャンプ、温泉、自転車、ジョギングなど、やりたいこと・やらなければならないことがいくつもあります。自分の時間を楽しみながら有意義に使い、そして気分転換と健康増進をうまく行って、結果として患者さんへのより良い治療へつなげていけたら最高です。


【そこが聞きたい!Q&A】
  
 今月の担当
 Dr. ふじた ひびく

Q. 知覚過敏はどうやって直すの?予防はできる?

A. 刺激によって歯が一時的にキーンとしみる症状がある場合、知覚過敏の恐れがあります。歯の内面にある象牙質が露出することで起こります。
 露出した象牙質を覆うように、コーティングの薬を歯面に塗る、もしくは、プラスチックの材料で詰める処置で、症状の軽減を図ります。
 知覚過敏が起こる原因は様々ですので、原因に合わせた予防が必要です。強いブラッシング圧で歯が削れている場合は、ブラッシング方法を再確認します。歯ぎしりや食いしばりで歯が削れている場合は、マウスピースで歯を守ります。歯周病で歯茎がやせている場合は、今以上に歯周病が進行しないように、口腔衛生状態を良好に保つ必要があります。酸っぱいもので歯の表面が溶けているのであれば、食生活を見直す必要があります。
 しみる症状は虫歯でも起こりますので、心配な方は一度受診をおすすめします。

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