未来健康通信2022年10月号
【今月の特集】
「虫歯は遺伝する?」
「むし歯は遺伝すると聞いたから心配」と思われる方も多いのではないでしょうか?その説の根拠は科学的に「多少ある」と言えますが、主な理由は食生活や歯磨きなどの習慣にあります。
◇むし歯の発生の要因
主に、歯の質や唾液の量、糖質(砂糖の摂取)、細菌(むし歯菌)などがむし歯発生の要因とされています。これらが悪い状態のまま長期間放置されてしまうと、むし歯菌が作った酸により歯が溶けてしまいます。歯が酸に弱ければむし歯になりやすく、強ければむし歯になりにくいのです。
◇むし歯と食生活との関係
むし歯は糖質、つまり食生活の影響を大きく受けており、特に甘いものは食べる量だけでなく食べ方も関係しています。甘い物を長時間ダラダラと食べたり飲んだりしていると、むし歯菌が作った酸を中和し洗い流す唾液の効果が発揮されません。よって、常に歯の表面に酸があることになり、むし歯になってしまいます。食生活は家庭環境による影響が大きく、親と子が同じ食生活になりやすいため、「親にむし歯が多いと子供にも多い」と言われるのは主にこれが理由です。
◇むし歯対策
むし歯対策としては、間食は時間を決めて食べること、歯磨きは歯ブラシにプラスして、デンタルフロスや歯間ブラシなども使用することをお勧めします。
間食の時間を決めずに、テレビを見たりゲームをしながらなど、しょっちゅう食べ物を口に入れていると、唾液の作用がいつまでも働きません。間食をするのであれば時間を決めて、ダラダラと長い時間食べ続けるのはやめましょう。
そして、よく噛んでたくさん唾液を出すように心がけましょう。
毎日のセルフケアだけでなく、歯医者での歯磨き指導を受けたり、定期的にクリーニングを受けることも大切です。お口の中全体のチェックも行うことで、むし歯の早期発見にもなりますので、ぜひ定期的なクリーニングにお越しください。
【Drブログ】
「運動と休息」 Dr 岩波 洋一
健康診断でコレステロール値が毎回ひっかかって早5年、食生活と運動に気を付けて生活したいと思いますが、運動を毎日の生活に取り入れるのがなかなか難しく悩んでいます。せめて休みの日くらい運動をと思い、息子の提案で自転車に乗って御所野イオンまで行くことにしました。自宅から往復で約35kmあるのですが、久しぶりの運動としては、ややハードな設定です。自転車にかごがついていないのでリュックを背負っていざ出発です。車で何気なく走っていた道も意外と勾配があり、かなりの運動でした。二人してはぁはぁ言いながら坂を上りやっとのことイオンに着きました。帰りの荷物になることを避けるため、私はできるだけ物は買わずにいたのですが、こういう時に限って息子が服をみたいといい出したので、一緒に選んで何着か買いました。それを互いのリュックに入れ、より負荷がかかった状態で復路がスタートです。足もさることながら、サドルでお尻が痛くて漕ぐのが苦痛で仕方なかったのですが、無事完走しました。その日の夜、疲れを癒すため日帰り温泉に行きました。着替えようとロッカーを開けると何かが入っています。よくみると、温泉無料券の札が入っていました。そのような粋な計らいは、想像したこともなかったので、びっくりしました。何気ない幸せを感じながら休日を過ごすことができました。
【そこが聞きたい!Q&A】
今月の担当
Dr. ふじた ひびく
Q.「入れ歯の洗い方を教えて!」
A. 毎日歯を磨くように、入れ歯も毎日のお手入れが必要です。基本は水洗いで歯ブラシや義歯ブラシを使って汚れを落としましょう。このとき、入れ歯を洗面台に落として割らないように、水を溜めて洗うか、洗面器等を下に置いて洗うことをおすすめします。寝るときには入れ歯を水に漬けて保管しましょう。目に見えない汚れやにおいが気になる場合は入れ歯洗浄剤を補助的に使ってください。
歯磨き粉を使って入れ歯を磨かないようにしましょう。歯磨き粉に含まれる研磨剤により小さな傷が付き、細菌が繁殖しやすくなってしまいます。また、熱湯で洗うこともやめましょう。入れ歯が変形し、口の形に合わなくなってしまう恐れがあります。