さらば友よ
当クリニックで永らく勤務していた佐藤勧哉先生が退職され、ご実家のある札幌に戻られました。彼と私は、約10年近く港町歯科クリニックで共に仕事をしてきた同僚であり、戦友のような感覚です。互いに同じ大学で同じ先生から学び、勤務時期も1年違いで歯科医療の経験年数も近く、県外出身でもあるなど共通点が多いものでした。仕事に限らず、物事に対する価値観などにおいても似ていたため、気が合ったのでしょう。仕事終了後にも、患者さんの治療についてアドバイスなどを互いに求めたりしながら、一緒に仕事に励んできました。
また、クリニックの数少ない男性スタッフ陣でもあるため、昔から家族ぐるみで集まって食事しながら交流を深めてきたので、一人抜けるだけで思いの他、喪失感がありました。よく考えてみると、時間だけでは妻より長く一緒にいたことになりますから…(笑)。
札幌に戻るまでの間に、スタッフで何度も送別会という名の飲み会が開かれました。秋田を離れる時期が近づいてくるにつれ、次第に彼の表情からも何となくもの悲しさが漂ってきました。おそらく、新たな船出に期待しながらも居心地の決して悪くはない職場環境、仲間、そして秋田にいろいろな思いが込み上げてきたのでしょう。車を持っていく関係で秋田港からフェリーで5月10日早朝、北海道に向けて出発しました。数名の男性スタッフで別れを惜しみ、見送りに行きました。彼が笑顔で旅立つことができたので、安心しました。今後の彼の活躍を願いながらも、残った我々も負けずに、より一層仕事に精進していきたいと思います。