「私の子育て日記」
とある日、仕事から帰宅すると我が家の玄関ドアの横に、5㎝ほどの小さなカマキリがいました。虫嫌い、なのにカマキリはなぜか平気な私。しばしじーっと観察、あ!早く彼に見せなきゃ!と家の中にいる小学6年の息子を呼びました。小さな頃からずっと虫が大好きな彼は、やはり大喜びで「おー!かわいいねー!」と夢中で見ていました。「捕まえよう、家で飼おう!」と言われましたが…「カマキリの餌は何?」と聞くと、「バッタとかー、コオロギとかー、カマキリは肉食だからねー」とのこと…。あぁ、無理!!虫は嫌いなんだってば。(なぜ、カマキリは平気なのか?)とても餌をあげられる気がしなかったので、「家に入れたら死んじゃうよ。自然のものは自然の中にいるのが一番だよ。」と彼を説得、彼も「そーだな、そうしよう。」と言って、カマキリに別れを告げ、自宅に入りました。しかし、その日は台風が近づいていて荒れ模様、ニュースでは夜から朝にかけ台風が通過する、とされていました。夜になり、やはり風がすごく強くなり、ビュービューとすごい音。彼と共にカマキリが心配になり、外に出るとさっきの場所に姿はなく、「だよね、もう飛ばされたよね…」と言いながらあちこち探すと、階段の手すりの少し風が避けられる所に、いた!「うわー!カマキリくん無事!」と彼と大騒ぎしました。それからも何度か「カマキリくんいるかなー?」 と彼が言う度、外に出てはビュービューと風が吹く中、カマキリくんを確認するという夜を過ごしました。頑張って手すりにしがみつく姿に、すっかり愛着が沸いてしまった私達でした。台風があっという間に過ぎ去った後も、3日ほどちょっとずつ場所を変えながら、我が家の周りのいたカマキリくんでしたが、ある日旅立ち、いなくなりました。「ここにいたら餌を捕まえられないもんね…きっと元気だよ。」と寂しげに言う彼。優しいな。虫博士になりたかったくらい、虫が好きなんだもんね。この夏の思い出の一つになりました。(N.I)