歯科の世界のインストラクター物語

いよいよ12月、2013年も年の瀬を迎えました。どういうわけか、今年は、大忙しとなりました。毎日の診療以外に、インプラント（人工歯根）と歯内療法（根の治療）の講演依頼が舞い込んだのです。
歯科の世界では、歯科医師を指導する立場の歯科医師としてインストラクターという存在があり、私の場合は、インプラント、歯内療法、歯科用顕微鏡といった分野でインストラクターになっております。
　私たちの仲間の勉強会（秋田・青森のインプラント研究会など）では、時折、発表する機会がありましたが、インプラントに関しては6年ぶりの本格講演となります。秋田県歯科衛生士会からの依頼で、12月8日に、スタッフを対象に行います。当クリニックでは、平成7年から本格的にインプラント治療を始めており、当時、治療を行った患者さんで、継続メインテナンスを行い、18年間良好な経過で過ごしている方もおります。インプラントは、治療後の定期的なクリーニングと諸ポイントのチェックが重要です。その辺りを重視してお話ししてみようと思っています。キーワードは、「安全・安心の口腔インプラント治療」。
さて、私にとって本題は、次の歯内療法です。数年前は、年に何度も米国製の優れた治療器具を使用するセミナーの講師をしておりました。ある時、その器具が改良発展し、新しいバージョンの新製品になりました。すると、日本で販売するためには、再度、国内販売の認可が必要となったのです。その手続きは、煩雑で難しいものでした。いったんセミナーは頓挫し、日本での認可がとれたら、セミナーを再開しよう、という約束で心待ちにしておりました。その心境は、長島茂雄読売ジャイアンツ終身名誉監督が、一度巨人の監督を降板し、それからしばらく、他のチームの監督依頼を一切お断りし、巨人に復帰し監督再就任したように、他の製品のインストラクターの話をすべてお断りし、（義理堅く?）それ一本で待っておりました。いわゆる、充電期間のはずでした。米国歯内療法学会に飛び、アップデイトの情報を入れたりし、日本歯内療法学会で発表し（デンツプライ賞・大会会長賞を受賞）、1年、そしてまた１年…心待ちにしておりました。しかし、残念ながら、何年経っても吉報は届かず、時代も大きく変わってしまい、いよいよ断念せざるを得ない状況となったのです。涙そうそう、お別れの日がやって来たのです。もう7年も時を経てしまいました。私にとっても、残された時間は、そう長くはありません。
さあ、ここから転身です。
ある輸入販売の歯科商会から絶好のタイミングで、私により良い治療器材をご紹介いただきました。さらに、歯内療法セミナーの講師として招いてくれたのです。核心となる基本的な治療フィロソフィーは、今までと変える必要のない治療システムです。12月22日に仙台から新セミナーのキックオフです。その後は、札幌→青森→仙台→札幌と来年4月まで行脚する予定で企画しております。「伏すこと久しきは、飛ぶこと必ず高し」（菜根譚）というがごとく、これまでの7年間で養ってきた叡智を結集して歯内療法セミナーを開催します。東北北海道のたくさんの歯科医師のためになるように努力します。もちろん、当クリニックでは、在籍歯科医師の歯内療法レベルのさらなるグレードアップ間違いなしです。
さて、皆様、いよいよ本格的な冬が訪れます。今シーズンは、定期クリーニング支援プログラムを設定しました。本紙をすみずみまで良くお読みください。風雪に負けず、皆様がご来院していただけることを願い、心からお待ちしております。