2010年夏の祭典
歯の「根っこの治療」の学会、第31回日本歯内療法学会が、夏真っ盛り、うだるような暑さというのがぴったりの7月後半、東京で開催されました。
根っこの治療は、歯を守るための根幹となる治療で、私が歯科医師になってから、特別の思い入れをもって取り組んでいる歯科治療科目です。
しかし、最近は、「根っこの治療」で治せる歯であっても、抜いて人工歯根(インプラント)にしてしまう傾向があり、とても憂慮しております。学会としても、同様です。
いかにして歯を抜かずに長く持たせるのかを最優先の課題としているわけです。
学会というのは、ある意味で歯科医師とその関係者が一同に会するお祭りです。
どちらかというと大学主催が多いのですが、今年度は、開業医で旧知の先輩先生方が大会役員であり、私も、大会実行委員として、ささやかながらお手伝いいたしました。大会長のおっしゃる「物事は人で決まる」という通り、学識と経験豊かな「人」と実行力ある若手のエネルギッシュな「人」によるすばらしい運営でした。
皇居まわりの早朝ウォーキングという初企画や学会会場の完全タバコ無煙環境の実現といった画期的な配慮もありました。
また、企業協賛により、お昼ご飯を食べながらお勉強(ランチョンセミナー)というのもありました。さらに、学会でもっとも楽しいこと(勉強はおいといて)は、同じ思いを持つ全国の仲間と語ること。再会を祝し、話が弾みます。
次の日の朝は、二日酔いの先生がよく見られるのも、学会の特徴といえるでしょう。ちなみに、会場内に歯科医師だけで600人も集まるというのも、一般の方にとっては、面白いですよね。
さて、今回予想だにしていなかったサプライズ。それは、私がデンツプライ・アワード(賞)を受賞したことでしょう。だれより本人が本心一番驚きました。
関係者の皆様に深く感謝いたします。その栄誉に報いるためにも、ますます「根っこの治療」に精進せねばと思っています。さあ、来年は長崎だ!
*デンツプライ賞:国内歯科学会において、歯科学の発展に寄与する優れた研究発表に対し贈られる学術奨励賞。