詩
私には数ヶ月に一度、顔を出すお店があります。若者が集うような雰囲気とは異なり、店主、客層ともに自分よりふた周りも年配の方ばかりのお店です。常連さんが多く、通い始めて2年程経つ現在は、ほぼ私も常連の域に達しているのか、店主や顔なじみの常連さんと世代を超えて楽しい会話で盛り上がります。
先日、常連さんから今まで作った詩をファイルにした詩集を頂きました。難しい言葉が並ぶ中にも、私にも理解できる作品も数多くあり、楽しく読む事が出来ました。
「六十年数多悔恨舌先に抜けし歯の跡ひと日慰む」
「歯を抜けばまこと血も出ぬ悲しさよ人には告げずひと日手に持つ」
歯に関する詩は悔恨というタイトルでくくられ、あまり良いことはつづられていませんでした。これまで歯には無頓着だったことを今になって後悔していると話してくれました。しかし、近々インプラント治療を受けるそうです。インプラント治療を受けて、噛める喜びを感じたとき、次はどんな詩を詠んでくれるか、今から楽しみにしています。(M)