ストップ・スモーキング
港町歯科クリニックは、完全禁煙となっています。しかも、通用口には、「2時間以内にタバコを吸われた方の来訪は、お断りします。」などという過激な案内を掲げたりしているものですから、ときおり、いらっしゃる関係者には、ドキッとしながらクリニックに入ってくる(笑)という声も聞こえてきます。
禁煙の根本的な思想は、私たちは、医療として健康を守る立場にあるのですから、明らかに健康を阻害し、病状を悪化させる嗜好品であれば、私たち自身が行わないということにあります。歯科においては、特に、喫煙習慣により歯周病が急速に進行し、重症化することがわかっているのです。
最近、米国では、「サードハンドスモーク」という概念が出てきました。日本語に訳すと「第三の喫煙」とでも、言えば良いのでしょうか。「ファーストハンドスモーク」である第一番目は、喫煙をする本人の煙。次に「セカンドハンドスモーク」、つまり第二は喫煙する人の近くにいる人が喫煙者の煙を吸い込むことで、いわゆる受動喫煙です。喫煙者がそばにいるために生じる受動喫煙では、本人が一切タバコを吸わなくても、歯科的には、やはり歯周病はひどく悪化します。また、血管が狭窄したりもろくなったり、血流が悪くなることで、心臓病や脳卒中、さらに肺ガン、流産などを誘発することがわかっています。最近は、タバコのパッケージに目立つように、喫煙の害について周知するようになったので、とても良いことだと思います。
さて、「サードハンドスモーク」のことです。これは、タバコを吸った室内に煙が吸着して有害物質が残り、その場所が煙害物質に汚染されたままになってしまうという事実が判明したのです。もう少し、具体的に言うと、タバコの煙で、髪の毛、衣類、部屋の壁、カーテン、ソファーなどに煙害物質が付着、それが原因となって、タバコを吸わない第三者も、目に見えない有害物質の被害を受けるということなのです。
米国での研究では、家族中で喫煙者のいる家庭では、ニコチン濃度が3〜8倍だったといいます。たとえ、換気扇の下で吸ったとしても、あまり変わらず、ニコチンの他にも、ヒ素、鉛、一酸化炭素や発ガン物質が含まれているようです。女性にとっては、気になるお肌のシミやたるみ、加齢線が目立つようになってくるといった報告もあります。困りますね〜。
当クリニックは、完全なるスモークフリーの無煙環境です。だから、安全で安心。皆様の中でも、喫煙の害を知っているのだが止められなかったという人がいたら、これを読んだ機会に完全禁煙し、ご自身の健康とあなたのそばにいる大切な人の健康を守るために、スモークフリー&クリーンハウスを心がけてはいかがでしょうか。