旅の時間
歯科診療の研修をし腕を磨くために秋田を発って出かけることが多々ある。ところは、圧倒的に東京が多いが、仙台や大阪など他の大都市や地方都市で行われることもある。
そこで、「旅」が始まる。というか、時間割によっては、ほとんどが単なる「移動」にすぎないのかもしれない。先週のことを振り返ってみると、根管治療の2日間セミナーの受講で埼玉へ行ったが、土曜の朝早い新幹線に飛び乗り、大宮で昼食をとって、南浦和へローカル線で移動。午後から夜まで講演と実習をやり、その後、食事へ出かけて楽しい懇親会。そして散会。ホテルでグー。翌朝、朝食をとって、8時半には会場に到着し、昨日の復習をちょいとして、9時からセミナー開始。午後4時過ぎに修了。急いで大宮に向かい、5時の新幹線に乗って、秋田に9時到着。うーん、こうして書いていても、ほとんど「移動」。「旅」というには、無理がある。
しかし、不思議なことに、お出かけ前は、この旅程の中で、なぜかたくさんのことができそうに思えるのである。その理由は、新幹線に乗車している時間が3時間半以上あるわけで、そんな何もしない時間を、日々悪戦苦闘(?)し、バタバタしている診療生活の中で取れるわけではないからである。そう思うと大変である。まず、パソコンのマックは欠かせない。これで3kgの重量アップ。そして、じっくり読もうとして積んでいた本を数冊。それに、やりかけの仕事のファイル。日々の研修ノートのまとめ。今回のセミナーに関連する図書を2冊。そうそう、電車のなかを快適にすごすためのグッズも欠かせない。そして、あれもこれもと、しまいには、理事室を丸ごと新幹線に乗せて、仕事ができるような気になってしまう。手にしたバッグは、どっしりと重く、いままでの経験では、持ち歩いているうちに、このマックをどこかに捨ててしまおうかと思ったことも、たびたび。
さて、そうして、準備万端整えて、いざ、秋田を出発。緑のきれいな車窓に小さな感動をしつつ…ふっと気づくと、そこは、もう仙台を過ぎていた。確かに昨日は、準備で夜更かししてしまっていた。なんてこった、予定の仕事や楽しみの読書ができていない!そこで、焦って、バッグを荷物棚から取り出そうとするにも、隣の通路側の席に座って気持ちよく寝ている方がおり、あの大きく重いバッグを簡単にタナからおろせないではないか。しかたがないので、外の流れる景色を楽しみ、物思いにふけることにし、大宮に到着。そこで、帰りは、反省をし、5時半には車中で夕御飯を食べて、それから不眠不休のパソコン三昧の時を過ごしたのであった。
この次は、それだけじゃなく、本も読むぞ!といつものように決心をした私でした。