地球温暖化の波
今年は、いや、今年も異常気象となった。昨年は、昭和48年以来の豪雪となった秋田市ですが、1月末でも道路に雪はなく、太平山オーパススキー場は、オープンする気配さえない。太陽は燦々と輝き、ポカポカしており、雪に替わって降るのは雨。冬は雪、という土地に生まれ育った人間としては、こうした景色を目にすると、もはや、異常気象というより、異様な風景と感じてしまう。地球規模で見ると、カナダは、日本と打って変わって大雪であり、米国西海岸は、通常あり得ない寒波に襲われた。また、ヨーロッパでは、スキー場の雪不足が深刻で、歴史的なワールドカップスキーレースも、中止が相次いでいる。どうやら、高地のスキー場ですら、気温が低くならないと聞く。しかも、平地では、すでに、春の花が芽吹きだし、1月なのに急速に春に向かっているらしい。深刻な地球温暖化は、着実に進行している。ほんの1〜2℃の気温上昇でも、雪を雨に変える。一時雪が降り積もっても、その雨が雪を溶かす。きっと、そんな循環で積雪の量も減ることになるのだろう。そして、氷河も消える。標高5,895mのキリマンジャロ(アフリカ大陸最高峰)の万年氷河は、2020年に消滅すると予測されている。そこで、ひとつの疑問が生じる。温暖化は、生活にとってマイナスなのか?暖房にかかる費用の軽減や雪害の縮小は、良いことではないのだろうか?しかし、それ以上に深刻な問題がある。ひとつは、生物全体の生態系の変化である。その結果は、食糧生産の減少だったり、動植物の種の危機であり、人間も例外ではないであろう。また、アルプス、ヒマラヤさらに北極や南極の氷河から流れ出た水は、海水の塩分濃度を薄くし、海洋動植物に影響を及ぼし、海面上昇により沿岸部の地域が海面下に水没することになる。地球の歴史という時間の軸でみると、人類の出現から現在までの時間は、1年の中で大晦日の1日程度の時間であると言われている。その大晦日の1日で地球を破壊しないようにしたいものだ。それにしても、やはり、車での移動は便利だし、パソコンは仕事に欠かせないし、エアコンは快適だし…。困ったものである。