未来健康通信2024年1月号
【今月の特集】
「子どもの矯正治療」
大人の骨格へ成長する思春期成長期が来る前に顎の骨を拡大したり、上顎を前後に引っ張ったり、骨格の大きさや形を改善することができます。子どもの矯正治療と呼ばれる一期治療で、土台となっている骨格の問題を修正し思春期成長期に骨格の問題が大きくならないようにします。成長終了後、歯並びの仕上げ治療の二期治療をします。一期治療で大きな問題を解決しているため、よりスムーズに仕上げることができ、大人になってから治療するよりも治療の負担を減らすことができます。
●一期治療
一般的に6歳くらいから始めることができ、永久歯が生え揃うまでの治療を行います。一期治療を始める時期は子供の成長や口の発育状況などによって違いますので、使用する矯正装置や治療の進め方は、矯正担当医とよく相談して決めていきます。この一期治療を通じて歯並びの問題を予防・修正しつつ、顎の正常な発育を促すことで、将来的な歯列の問題を防ぐことができます。
●二期治療
次に大人の歯が生え揃ってから、歯列、噛み合わせの不正を直します。基本的には大人の矯正と同じ治療です。装置の種類はワイヤー矯正、マウスピース矯正などがあります。二期治療を行うことでむし歯や歯周病のリスクを低減したり、発音の改善につながることもあります。
●矯正治療と虫歯予防
矯正中の歯磨きは、歯ブラシが装置に当たり上手く磨くことができません。そして虫歯にとてもなりやすいです。虫歯になると通常装置の入っていない場合に比べ、治療が長引くこともあるので、口腔内のメインテナンスやクリーニングを定期的に行い、虫歯予防をしていく必要があります。
小学校低学年くらいのお子さんの場合は特に、歯磨きの仕上げ磨きをおうちの方が手伝ったり、フッ素洗口液(マウスウォッシュ)を使ったりして虫歯予防をしてみてください。
矯正治療を通して歯磨きなどの日常生活の習慣を改善することは、お子さんが歯を大切にする習慣が身につき、矯正治療後のお口の健康にも大きくつながります。矯正治療をお考えの方は、成長中のお子さんの矯正を始めるタイミングを逃さないよう、ぜひお気軽にご相談ください。
【Drブログ】
Dr 岩波 洋一
「2023年を振り返って」
昨年は健康について考えさせられる1年でした。両親を病気で亡くしてから、自分のこれからの人生について考える機会が増えた気がします。仕事、家族との時間が最重要であることは変わりませんが、自分がいかにコンディションよく充実した時間を過ごすか、生活に潤いをもたらす楽しい時間を作っていくか。健康を考えて今年はジョギングを生活に少しずつ、本格的に取り入れることができ、数年ぶりのマラソン大会にも参加することができました。とはいえ種目は10kmだったので、次回は運動強度を高めてハーフにチャレンジしたいと思います。また、趣味を増やすため釣りや山登りなどもチャレンジしたかったのですが、熊の出没が相次ぎ実行は困難となりました。2024年は新たなことに積極的にチャレンジしながら、幅広い人間関係も築いていけたらと考えています。よく聞く言葉でありますが、「明日で人生が終わるとしたら・・」という気持ちを常に持ちながら、1日1日を大切に送ることを今年はより重要視したいと思います。人生楽しく有意義に過ごさないと損ですから。
【そこが聞きたい!Q&A】
今月の担当
Dr. ふじた ひびく
Q. 歯を抜かなければならないと言われたけどどうしよう…?
A. 永久歯を抜歯する3大原因は、進行しすぎた虫歯、歯周病、歯の破折です。虫歯の場合、自分の歯を守る最後の砦が根の治療(歯内療法)です。歯内療法後に歯の寿命が短いと予想される場合でも、出来る限りの治療を行い、歯の根元を残すように努めます。それでも抜かざるを得ない場合とは、歯の根の残りがあまりにも少なくて、被せ物の土台を作ることが出来ない場合です。
根本から治す方法が抜歯以外になくても、抜歯に抵抗がある場合は、様子を見るのも一つの手です。もちろん、歯を残すことで起こりうるデメリットもあります。しかし、症状が落ち着いており、困ることがないのであれば、感染が進行していないか定期的に経過観察するのもいいでしょう。
抜かなければならない歯がある方は、その歯の寿命が短いとしても時間と費用をかけて残したいか、症状が強くなる前に抜歯を進めたいか、このまま様子を見たいか、人それぞれの考えがありますから、一緒に相談して治療方針を決めましょう。