未来健康通信2023年3月号
【今月の特集】
「歯並びとお口のトレーニング」
歯並びは、じつは歯のみで決まるのではなく、まわりにある舌や唇の力にも影響されます。
たとえば歯の生え替わり時期の子供の場合、舌の位置が悪くいつも歯に舌の圧がかかっていると、歯は前へ前へと押し出されていきます。
また大人でも、矯正治療を始めた時に舌からの圧が強いままだと、矯正治療の妨げになったり、後戻りをすることもあります。
正しい位置に舌を置き、お口の周りの筋力をつけ力のバランスを改善するには、お口のトレーニングが必要です。
それにより、不正咬合(受け口や出っ歯など)の原因となる舌癖(ぜつへき)の改善・予防や、口呼吸の改善を行うことができます。
舌や唇の力だけでなく、次にある項目も歯並びを悪くしてしまう原因となります。当てはまる項目があるかチェックしてみて下さい。
■口呼吸
■指しゃぶり
■頬杖
■猫背などの悪い姿勢
■頬の吸い込み
■口唇咬み
■片方ばかりで噛む
■うつ伏せで寝る
ご自分やお子様の習慣になっているものはありませんか?
では皆さんに質問です!
皆さんは普段、お口の中で舌がどの位置にありますか?
上あごの天井付近でしょうか?それとも前歯にくっついていますか?
意識をしないと分からないですよね。
テレビを観ている時や読書をしている時など、リラックスした状態の時の舌のポジションが、普段舌を置いている場所です。
正しい舌の位置は舌が上顎の天井につきつつ、舌先は上の前歯の付け根あたり、前歯の5mm後ろにあるくぼみ(スポットポジション)にあることです。
ここでお口のトレーニングをいくつかご紹介します!
〔スポットボジション〕
舌の先をつけておく正しい位置を覚える
・舌の先をスポットに当てます(前歯に舌はつけない)
・舌を持ち上げた状態を保持し、そのまま奥歯で咬んで口を閉じる
〔ポッピング〕
舌を上に持ち上げる力を強くする
・舌の先をスポットに当て、舌全体を上あごに吸い付ける
・吸い付けた舌を勢いよく離し、ポンと音を出す
〔ボタンプル〕
口の周りの筋肉に力をつける
・奥歯を咬み、前歯と唇の間にひもをつけたボタンを挟む
・唇でボタンが外れないよう押さえながら、ひもを強く引く
今紹介した3つのトレーニングは、矯正治療を受ける患者さんや歯並びが気になるお子さんにおすすめです。
舌の正しい位置を体に覚え込ませ、お口の周りの筋肉を強化して行きましょう。
普段はしないお口の動かし方をするため、初めは違和感があったり舌がすぐに疲れたりすることがありますが、毎日行うことですんなりできるようになります。
すき間時間やリラックスしている時に、皆さんも是非お口のトレーニングを行ってみてください。
【Drブログ】
Dr 藤田 響
「家電を購入しました」
今年の冬は例年と比べて降雪が少なかったようですが、10年に一度の強烈な寒波だった、との報道がありました。
慣れない水道管の凍結対策もさることながら、何より電気代の高騰で節電も強いられたことが大変な冬期間でした。
さて、10年に一度といえば、忘れた頃にやってくる、家電が一斉に壊れる現象というものがあります。
実家もトースター、コーヒーメーカー、ドライヤー等が去年から不調をきたしておりまして、買い替えを検討しなければならないという話をしていました。
実は、去年の母の日の頃から、母宛にトースターをプレゼントする予定だったのですが、製品の型が決まらずズルズルと引き延ばして今日に至り、年始にようやくトースターとコーヒーメーカーをプレゼントすることができました。
母は、「パンもコーヒーも作るのは私で食べるのは父だから、誰へのプレゼントか分からないね」とぼやいておりましたが、今ではパンの焼き加減やコーヒーの煎り具合等の試行錯誤も楽しんでいるようです。
実家に帰ると美味しいコーヒーを飲むことができて幸せです。
【そこが聞きたい!Q&A】
今月の担当
Dr. やまだ まい
Q.「詰めたところは虫歯になりやすいの?」
A. 健康で治療したことのない歯と比べると、虫歯になりやすいでしょう。
歯科では、型を取って作るかぶせ物のインレーやクラウン、歯に直接流し入れるつめ物のコンポジットレジンなどがあります。
これらの人工物を歯につける時に、完全にぴったりとくっつけたとしても、時間が経つと接着剤の長期劣化などにより次第に小さな隙間ができてきてしまいます。
虫歯菌の代表であるミュータンスレンサ球菌は約1μm(0.001mm)という小ささですから、その小さな隙間に簡単に入ってしまいます。
ただそれだけでは虫歯にはなりません。
その隙間に汚れが停滞すると菌のエサになり、酸が産生され虫歯になってしまうのです。
治療した歯を再び虫歯にさせない為には、より一層口腔ケアに力を入れましょう。
また定期的に歯科医院を受診することも大切です。